※このページは、お食事中の方等はとくに読むとき、ご注意下さい!!
気温が上がりどんどん暖かくなってくる時期は、食中毒に要注意です!
食中毒とは
食中毒(しょくちゅうどく)とは…食べ物や飲み物などを口にすることで起こる、腹痛や下痢、嘔吐、発熱などの健康被害のことをいいます。
例えば、食中毒の原因となる食べ物でいうと、
- 調理してから食べるまでに時間が経った食べ物
- 細菌が付いている生の食品
- 毒キノコ
- フグ毒(テトロドトキシン)
- アニサキス(寄生虫) など
食中毒の主な原因と症状
まず食中毒の原因は、①細菌、②ウイルス、③自然毒、④化学物質、⑤寄生虫の5つに大きく分けられます。
※感染経路につきましては、もしよろしければこちらのサイトをご参照ください。→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%B5%8C%E8%B7%AF
①細菌
- 〇カンピロバクター…細菌による食中毒の中で、最も多く発生している細菌です。
- 症状…原因となる食べ物などを摂取して、およそ5~7日の潜伏期間の後に症状が現れます。主に吐き気や嘔吐、下痢や腹痛などが起こる場合があります。
- 主な感染経路…一般的な食べ物(とくに加熱が不十分な肉、食肉製品(ハム、ソーセージ、ベーコン、ビーフジャーキー、ローストチキン、コンビーフ、ハンバーグ、ミートボールなど)、生乳や細菌が含まれた牛乳、細菌が含まれた水や氷など)
- 〇黄色ブドウ球菌…手指の傷口から感染する場合があります。
- 症状…原因となる食べ物などを摂取してから3時間ほどで症状が現れる場合があります。主に吐き気や嘔吐、下痢、腹痛などが現れ、1~2日ほどで軽快(治療により改善が見られ、その後外来などの通院による継続的な治療を必要とすること)する場合があります。
- ※脱水が非常に重くなる場合もあるため、要注意です!!
- 主な感染経路…接触感染、飛沫感染
- 〇サルモネラ菌…卵料理や食肉などから感染する場合があります。
- 症状…急な発熱、下痢、腹痛、吐き気、嘔吐などが現れる場合があります。
- 主な感染経路…動物由来の細菌が含まれた食べ物(主に卵、肉、鶏、アヒル、七面鳥、生乳など)、肥料で汚れた緑黄色野菜なども含まれます。また、人から人への糞口感染も起こる場合があり、人からペットなどの感染した動物と接触することで感染する場合もあります。
- 〇腸炎ビブリオ…刺身などの生鮮魚介類から感染する場合があります。
- 症状…感染後、12時間前後の潜伏期間を置いて、激しい腹痛と水様性(水に似ていること)の下痢などが起こる場合があります。下痢は回数に個人差があり、1日数回~十数回起こる場合があり、まれに下痢に血が混じることもあります。そのほか、発熱や吐き気、嘔吐などもみられる場合があります。
- ※とくに高齢の方では重症化することがあり、命にかかわる場合もあるので要注意です!!
- 主な感染経路…主に経口感染(食品、糞口)
- 〇腸管出血性大腸菌(例:O157など)…※とくに幼児や高齢者は重症化しやすいので要注意です!!
- 症状…感染して4~8日間の無症状の期間を経て、無症候性(病気ではあるが症状がない状態のこと)から軽度の下痢、激しい腹痛、頻回(回数が多いこと)の水様便(水のような便)、さらに血便や重篤な合併症などを起こし、最悪の場合死に至ることもあります。
- 主な感染経路…飲食物を介した経口感染
- 〇ウェルシュ菌…カレーやシチューなどの煮込み料理から感染する場合があります。
- 症状…主に腹部膨満感(ふくぶぼうまんかん…お腹全体または部分的に張った感じがすること)、腹痛、下痢などで、発熱、吐き気、嘔吐などはほとんど無いようです。潜伏期間は原因となる飲食物を摂取してから6~18時間後(平均10時間ほど)で、ほとんどの場合が比較的軽症のみで回復します。
- 主な感染経路…主に経口感染(食品、糞口)
- 〇セレウス菌…大量に調理された米飯類や麺類から感染する場合があります。
- 症状…嘔吐型と下痢型に分けられます。
- ※嘔吐型…原因となる食物を摂取してから30分~5時間ほどで発症する場合があり、症状としては嘔吐、吐き気、下痢、腹痛などが現れますが、いずれも軽症の場合が多いようです。
- ※下痢型…原因となる食物を摂取してから6~15時間ほどで発症する場合があり、症状としては腹痛、下痢などが現れ、とくに抵抗力の弱い方が感染すると急性肝不全を起こす可能性があります。
- 主な感染経路…主に経口感染(食品、糞口)
- 〇ボツリヌス菌…土壌や海、湖、川などの泥砂の中に分布(分かれて広くあちこちにいること)している嫌気性菌(生育に酸素を必要としない菌のこと)で、熱に強い芽胞を形成します。
- 症状…原因となる食品を摂取してから8~36時間ほどの潜伏期間を経て、まぶたが上がらない、ものが二重に見える、ものを飲み込みにくくなる、ろれつが回らなくなるといった神経症状が現れます。さらに時間が経つと、脱力感が出始め、呼吸筋が麻痺(まひ)して呼吸困難になるケースもあるようです。また、自律神経の機能にも影響が出るようで、唾液や汗の分泌が減るなどの症状もみられる場合があります。
- ※もしも神経症状が出た場合、初診は“脳神経内科”の受診をおすすめいたします。
- 主な感染経路…酸素のない状態になっている食品(瓶詰、缶詰(自家製のものも含まれます。)、真空パック食品、保存食品、発酵食品など)
- ※海外では、ハムやソーセージ類が原因である例も発生しているようです。
ボツリヌス菌についてさらに知りたい方は、こちらのサイトをご参照下さい。→https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/micro/boturinu.html#:~:text=%E3%83%9C%E3%83%84%E3%83%AA%E3%83%8C%E3%82%B9%E8%8F%8C%E3%81%AF%E5%9C%9F%E5%A3%8C%E3%82%84,%E3%81%AB%E5%88%86%E9%A1%9E%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82(出典:東京都保健医療局ホームページ)
※こちらのサイトは、予告なくURLが変わり万が一見られなくなる場合がございます。大変申し訳ありませんが、その点ご了承いただけたらと思います。
②ウイルス
- 〇ノロウイルス…冬の時期(※とくに11~3月)が発生のピークとされています。そして、感染力が非常に強いので要注意です!!
- 症状…感染してから1~2日経つと吐き気、嘔吐、下痢などといった症状が現れます。発熱がある場合がありますが、軽度であり、その他腹痛、頭痛、寒気、筋肉痛、だるさ、のどの痛みなどがみられる場合もあります。
- 通常はこれらの症状が1~2日ほど続き、後遺症なく自然に回復することがほとんどといわれています。
- ※しかし、乳幼児や高齢者などでは頻回な下痢と嘔吐によって脱水症状になるケースもあり、吐いたものによる窒息のリスクもあるので、大変危険であり要注意です!!
- 主な感染経路…主に経口感染(食品、糞口)、接触感染、飛沫感染、空気感染
③自然毒
- 〇有毒植物…毒キノコ、野草、観葉植物などの誤食(本来食べてはいけないものを間違えて飲み食いしてしまうこと)が主な原因とされています。
- 症状…植物の種類にもよりますが、主に嘔吐、下痢、手足等のしびれ、けいれん、呼吸困難などの症状が出る場合があり、最悪の場合死亡するケースもあります。
- 〇フグ毒(テトロドトキシン)…素人調理による食中毒が原因の場合があるとされています。
- 症状…毒の量にもよりますが、食べてだいたい20分~3時間ほどで発症するといわれています。症状としては、最初唇や舌、指などのしびれから始まり、手足が動かなくなり、頭痛などが起こります。また、嘔吐する場合もあります。
- 次第に感覚が麻痺してきて、皮膚感覚、味覚、聴覚などが鈍くなり(感覚麻痺)、運動麻痺(手足などに力が入らなくなること)が起こり、そのうち倒れてしまいます。
- さらに進行すると、全身の筋肉に力が入らなくなって指も動かせなくなり、そのうちに言語障害(言葉の理解と表現が難しくなる障害のこと)が起こる場合があります。
- 最終的には呼吸中枢が麻痺し、血圧低下、呼吸困難となってチアノーゼ(血液中の酸素が不足することをきっかけに、唇や指先などの皮膚や粘膜が青紫色に変化した状態のこと)を起こし、最悪の場合、呼吸が停止し死に至ります。
④化学物質
- 〇ヒスタミン…イワシなどの青魚から感染する場合があります。
- 症状…食べた直後から1時間以内に、顔面、とくに口の周りや耳たぶが赤くなったり、じんましん、頭痛、嘔吐、下痢、発熱などが現れる場合があります。重症の場合、呼吸困難や意識不明になることもありますが、死亡事例はないそうです。
- ※じんましんなど、アレルギーの症状と似ているため“アレルギー様食中毒”とも呼ばれています。
- 〇農薬…取り扱いが不十分、不注意などによることが原因とされています。
- 症状…農薬の種類にもよりますが、誤飲または服用後、重篤な中毒症状を発症するまでに数時間から数十時間かかる場合があり、その間に医療機関などで受診をしてその際軽症とみなされることがあるので大変危険です!!
- 症状としては息苦しさ、発汗、食欲がない、手足や顔が勝手に動く、普段と比べて頭がはっきりしない、あるいは意識がおかしいと感じる、頭や体がグラグラする感じがする、何となくふらつく、涙が出すぎる、もしくは涙が出ない、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音がする など
⑤寄生虫
- 〇アニサキス…刺身など魚介類を生で食べることが原因とされています。
- 症状…急性胃アニサキス症:食後数時間から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、悪心(おしん…吐きたいという不快な感覚のこと)、嘔吐などを引き起こす場合があります。
- 急性腸アニサキス症:食後十数時間から数日後に、激しい下腹部痛、腹膜炎症状などを引き起こす場合があります。
- 〇クドア・セプテンプンクタータ…ヒラメなどの刺身を食べることが原因とされています。
- 症状…人の腸粘膜を一時的に傷つけて、下痢や嘔吐などを引き起こす場合があります。
もしも食中毒になった場合の応急処置
①もし嘔吐や下痢があるときは、脱水症状(体の中の水分が不足した状態のこと)になりやすいので、その防止のため、嘔吐を引き起こさないように水分を少しずつこまめにとります。
水分をとる目安としては、ティースプーン1杯分(約5ml)を15分おきに飲んでみましょう。
根気がいる動作ですが、これを1時間ほど続け、症状の悪化がないことを確認出来たら少しずつ飲む量を増やします。
②嘔吐した場合、吐いたものが気管支に詰まると呼吸困難や肺炎などを起こす可能性があり、とても危険なので、それを防止するため、吐いたものが気管に入らないような体位(※回復体位)をとります。
※回復体位につきましては、もしよろしければこちらのサイトをご参照下さい。→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%9E%E5%BE%A9%E4%BD%93%E4%BD%8D
③そして出来るだけ早く救急を呼ぶか、医療機関に受診をしましょう。
食中毒予防
- 食品をよく洗います。
- 手洗いを十分に行います。
- もし手指に傷がある場合は、ビニール手袋などを使います。
- まな板、包丁、ふきんなどはアルコールやハイターなど消毒用洗剤等で消毒をし、乾燥を行います。
- 食品は十分に加熱してから食べるようにしましょう。
- 調理後はすぐに食べるようにし、もし残る場合は冷蔵庫・冷凍庫などへ保存し、室温に置くのは避けましょう。
- 冷蔵庫内の温度は5℃以下に保つよう意識しましょう。
まとめ
このページでは、食中毒についての原因、症状、応急処置や予防法などについてご紹介いたしました。
気温が上がり始めているこの時期、日々の食生活をより安全で充実したものにするためにも、ぜひこのページで食中毒への理解を深めていきましょう!
※今回このページを作成するにあたり、参考にさせていただいたサイトも掲載いたしますので、ぜひ合わせてご参考にしてみて下さい。(より分かりやすい内容のサイトでございます。)→https://www.city.sakai.lg.jp/kenko/shokuhineisei/shokuchudokuyobo/shokutyudoku.html#:~:text=%E9%A3%9F%E4%B8%AD%E6%AF%92%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E9%A3%9F%E3%81%B9%E7%89%A9%E3%82%84,%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%81%A6%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82